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恋愛から結婚へ
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婚約中の交際
婚約中とは、よい結婚への準備期間であることはもちろんです。この期間をよりよく過ごすことは、よりしあわせな結婚生活を得ることになります。ある農村の青年は、\"結婚までに二人で話し合うことが山とあるので、とても時間がもったいなくて、映画を見る気なんかしなかった\"と言っていました。彼は農村の中堅青年として、まじめに農業ととり組みながら、明るい農村生活を築く努力をしています。婚約中二人は町のすし屋の二階に上がり、すしを食べながら、二人の結婚生活についてとことんまで語り合ったそうです。夕方になり、ほかのお客に迷惑だから、と追い出される時間まで。都会のある婚約者は、婚約期間の思い出に、デイトのとき二人で立ち寄った喫茶店のマッチを全部一つずつとっておいたそうです。それを今とり出してみると、そのとき二人で考えたこと、話したこと、ちょっといさかいをしたことなど、いろいろと思い出され、ただなつかしいばかりでなく、今の生活をふり返ってみるよすがにもなっているそうです。いろいろな過ごし方、思い出の残し方があると思います。.二人が納得するまでじゅうぶんにつき合って、その後に結婚式を迎えることが望ましいと思います。婚約者は、相手に対して、周囲の人々に対してどんな態度でいたらよいのか、婚約期間の有効な過ごし方を考えてみましょう。
周囲の人たちとの交際
一定の限度を保って
二人だけの間では、どんなに親密であっても、親密すぎていけないということはないのです。しかし、世間に対して、第三者の目に対しては、知性ある、っっましやかな婚約者であってほしいと思います。人前で慣れ慣れしく、べたついた感じはあなたの誇りを傷つけます。友だちであったときより、むしろ距離をおいた態度を、第三者の目には印象づけてください。
家族とのつき合い
相手の家庭を訪れることが多くなると思います。家庭を通じて、いっそうよく相手を観察することもできるでしょう。
長所も短所も:相手の家族の中では、とり澄まさないで、自分の自然の姿を見てもらいます。必要以上に自分を卑下して、欠点だけを示すような必要は少しもありません。じゅうぶんによいところも見てもらいます。そして自分の悪い癖も、たとえば\"私はすごく寝坊なのよ。いま早起きの練習をしているんですよ”などとユーモラスに紹介しましょう。短所も一種の魅力になるような示し方をなさるように。
兄弟とは:自然に親しくなっておくのは結構なこと。しかし、急激に親しくなろうとしても、それは無理です。徐々に、あっさりと、おつき合いを重ねていけばよいのです。
どの程度親しく:まだ家族の一員ではないのですから、あまりに無遠慮な態度は、慎しみましょう。たとえば、長居はご無用。また、お泊りなさい、と前もってすすめられていれば別ですが、早めに切り上げて、規律正しくしてください。台所などへもずかずか入り込まず、お食事の用意を手伝うにしても、テーブルの上のものを整える程度にしましょう。おかあさんやおねえさんにいちおう図ってから、手をつけるくらいの心づかいが必要です。
家族の中の二人:家族の中では、みんなと語り合うべきです。自分が話しかけられているのに、直接に返事をせず、必ず婚約者に同意を求めてみたり、家族の話題の外にいて、自分と婚約者だけがわかる話をしたり、どちらもはしたないことだと思います。
みえっばりをやめる
婚約中は、結婚への大事な途上にあるという考えで、みえっばりはいっさいやめます。
何かおみやげがないと家族が訪問できないという気持や、いつも着飾っているというようなことは、すっぱりとなくしてください。
呼び名:お互いには名を呼び合いましょう。二人きりのときは、愛称でもよいですが、第三者の中では慎しみたいこと。先方の両親は、もうおとうさん、おかあさんと呼んでいいでしょう。兄弟も::さん、::ちゃんで結構。ただし、相手の家の使用人には、「・・さん、お願いします」というように。「ねえや!」などと呼びつけることはいけません。
第三者とあなたの婚約者:紹介するときには「私の婚約者の○○さんです」とはっきり。自分や相手の家族には、「○○さんがこうおっしゃったわ」と言ってもおかしくはありませんが、家族以外の目上の人には、「○○さんがこう申しておりました」「○○さんは××会社で働いております」というようなことばつかいで話してください。敬語を使って話すのはこっけいです。
結婚している友人とのつき合いを:未婚の友人たちとの交際から、家庭をもっている人たちとの交際へ移ってみましょう。未婚の友人からは得られなかった、いろいろな知恵を学ぶことがありそうです。二人の、結婚生活に対する考え方などが、こうした交際の中で、しっかりしたものになってくるでしょう。
婚約中の娘をもつおかあさんへ
ここで、最近お嬢さんをお嫁にやったおかあさんの一人、中村貞子さんに聞いてみましょう。お嬢さんの婚約期間中に、おかあさんが感じたこと、心を配ったことなどが、皆さんの参考になると思います。
心配
結婚の日まで破談になることもある、またいけない点があれば、こちらからも断ってよいのだ、という覚悟をもっていました。しかし、母親としては、どうか無事に結婚してくれればいいと、それがいちばん心配でした。
相手の長所、短所について
そういう覚悟があったので、周囲で婚約者をほめあげたり、娘をあふりたてたりして、一途に思い込ませるようなことのないように気をつけました。まわりの男性も話題にのせながら、母娘で冷静に婚約者を観察させました。しかし本人が気づく以外は、相手の欠点をいわないことにしました。特に姿や容貌などについては。
自信をもたせる
一方、娘には自信を失わせないようにしました。娘でも息子でも、その人のもっている独特の美しさを発揮させるには、自信が必要だと思いましたから。たとえば、娘はじみ好きでしたので、仲人さんから、「もう少しはでにしたら」と言われましたが、娘はじみで押し通してしまいました。私も、娘のよさはじみ好みにあると思っていましたから、急に不慣れなはでさを身につけてみても、かえっていけないと思いました。また、自分のいちばんよいと思う服装、化粧、態度を、自信をもって示すことが、結局、よいのだと思います。もっとも、その自信が非常識なものであるか当然なものであるかは、周囲があたたかく見守ってやるべきでしょう。また自信たっぷりという態度も好ましくありませんが。もし結婚にまで至らず、不幸な結果になったとしても、「あなたのよさがわからなかったのね」と、私は娘に言うつもりでした。
家じゅうが誠意で迎える
家じゅうが喜んで迎え、誠意を尽くして婚約者を遇しました。だいたい私は若い人が好きで、気持もよくわかるほうですから、批判がましい目つきで見るようなことはできないのですが、それにしても、私たちの家庭を、誠実なあたたかい、居心地のよいところと感じてもらいたいと思いました。食事などは、手製で、特別のごちそうは何一つしなかったのですが。私の娘は、気持がかなり進んでから、先方の家庭へ連れて行かれました。家族じゅうが娘に会いたいな、と言ったのだそうです。当人どうしはごく気が合っているのに、おかあさんとうまくいかず、破談になったという例なども聞くので心配でしたが、そんなこともなくホッとしました。結局、婚約中にあまり遠慮なく家族とつき合うのは考えものだと思います。
けじめのある青年
いつも、先方へ伺ったら、十時には引きあげなさいよ、と娘に言っていました。男性も、「終電車ですよ」と心配されるまで長居するのはいけないと思います。そういう青年には、思い切りの悪さ、つまり男らしくないとか、自分勝手で思いやりがないというような感じをもちます。さいわい、娘の婚約者はその点でもきちんとしていたので、母親としては、そんな面にも信頼できる人がらを感じました。
贈リ物
もっぱら気持のつき合いに専念したという感じ。物質的なやりとりはあまりしなかったようです。娘が刺繍を勉強していたので、手作りにしたマフラー、妹さんへのハンカチなどをあげたという程度。彼からも、出張のおみやげに、土地の産物だというネックレスをもらっただけのようです。
あわてたこと
娘は洋服ばかり着ていましたので、着物はほとんどもっていませんでした。先方のおかあさんが、和服姿を見たいとおっしゃったときにはちょっとあわてました。でも、手持ちの、染め直しで仕立ててあったのを着せてやりました。このほか、式のやり方、式服など、できるだけ先方の親の注文どおりにしました。と、いうのは、こまかい形式にこだわる必要はないし、要は二人の基本の考え方だと思ったからです。こんなことで、無用の摩擦は起こさないほうがよいと思いました。また、逆に娘のことを自慢したり、要求がましいこともいっさいしないように気をつけました。娘は私が心を込めて育て、私としては喜んでくださる方へあげたいと思ってはいました。しかし、なんといっても至らない娘であることは、私がいちばんよくわかっているのですから、卑下する気持ではなく、謙虚な気持をもたずにはいられなかったのです。
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